Verylで作るCPU Star

第1章
環境構築

本書で使用するソフトウェアをインストールします。WSLが使えるWindows、Mac、Linuxのいずれかの環境を用意してください。

1.1 Veryl

Verylのインストール

本書ではVerylという言語でCPUを記述します。まず、Verylのトランスパイラをインストールします。Verylには、Verylupというインストーラが用意されており、これを利用することでVerylをインストールできます。

VerylupはGitHubのReleaseページから入手できます。veryl-lang/verylupで入手方法を確認してください*1。Verylupを入手したら、次のようにVerylの最新版をインストールします(リスト1.1)。

[*1] cargoが入っている方は、cargo install verylupでもインストールできます。

リスト1.1: リスト1.1: Verylのインストール
$ verylup setup
[INFO ]  downloading toolchain: latest
[INFO ]   installing toolchain: latest
[INFO ]     creating hardlink: veryl
[INFO ]     creating hardlink: veryl-ls

Verylの更新

最新のVerylに更新するには、次のようなコマンドを実行します(リスト1.2)。

リスト1.2: リスト1.2: Verylの更新
$ verylup update

インストールするバージョンの指定

特定のバージョンのVerylをインストールするには、次のようなコマンドを実行します(リスト1.3)。

リスト1.3: リスト1.3: Verylのバージョン0.13.1をインストールする
$ verylup install 0.13.1

インストールされているバージョン一覧は次のように確認できます(リスト1.4)。

リスト1.4: リスト1.4: インストール済みのVerylのバージョン一覧を表示する
$ verylup show
installed toolchains
--------------------
0.13.1
0.13.2
latest (default)

使用するバージョンの指定

バージョンを指定しない場合は、最新版のVerylが使用されます(リスト1.5)。

リスト1.5: リスト1.5: verylのバージョン確認
$ veryl --version
veryl 0.13.2

特定のバージョンのVerylを使用するには+でバージョンを指定します(リスト1.6)。

リスト1.6: リスト1.6: Verylのバージョン0.13.2を使用する
$ veryl +0.13.2 ← +でバージョンを指定する

エディタ拡張のインストール

VerylのVSCode拡張

図1.1: VerylのVSCode拡張

エディタにVSCodeを利用している方は、図1.1の拡張をインストールするとシンタックスハイライトなどの機能を利用できます。

エディタにVimを利用している方は、GitHubのveryl-lang/veryl.vimでプラグインを入手できます。

1.2 Verilator

Verilatorは、SystemVerilogのシミュレータを生成するためのソフトウェアです。

パッケージマネージャ(apt、Homebrewなど)を利用してインストールできます。パッケージマネージャが入っていない場合は、ドキュメントを参考にインストールしてください。

本書で利用するVerilatorのバージョン

2024/10/28時点の最新バージョンはv5.030ですが、Verilatorの問題によりシミュレータをビルドできない場合があります。対処方法はサポートページを確認してください。

1.3 riscv-gnu-toolchain

riscv-gnu-toolchainは、RISC-V向けのコンパイラやシミュレータなどが含まれているツールチェーン(ソフトウェア群)です。

GitHubのriscv-collab/riscv-gnu-toolchainのREADMEにインストール方法が書かれています。READMEのInstallation (Newlib)を参考にインストールしてください。

FPGAを利用する方へ

TangMega138Kを利用する人はGOWIN EDA、PYNQ-Z1を利用する人はVivadoのインストールが必要です。